姫路レザーの魅力とは?革としての特徴、栃木レザーとの違い
20-02-25
兵庫県姫路市で加工・販売されている革製品「姫路レザー」をご存知でしょうか。その品質の高さ、耐久性の高さ、経年劣化の少なさ、色の鮮やかさなど多くの魅力があり、バッグ・財布・ベルト・スマホケース・ストラップなど、さまざまなアイテムに使用・販売されています。今回の記事では姫路レザーの特徴や魅力、他のレザーとの加工の違い、また姫路レザーを使ったおすすめのアイテムなどについてご紹介していきます。
【目次】
1.姫路レザーの基礎知識
2.姫路レザーと栃木レザーの違い
3.姫路レザーを使ったKnotの華やかなストラップ
4.ハイブリッドでおしゃれなレザークラフトを楽しもう!
姫路レザーの基礎知識
姫路レザーにはどういった特徴があるのか、その製作手法や実際に販売されているアイテムの種類について、詳しくご紹介していきます。
姫路レザーの特徴
姫路市は昔から皮革産業が盛んで、現在でもタンナー(動物の皮をなめし、製品の用途に合わせて加工し革にする人や企業)の数は姫路レザー有限会社をはじめとして100を超えており、国内における革製品の生産量は日本一を誇ります。現在、日本で流通している革製品の7割は姫路レザーといわれています。姫路レザーは「クロムなめし」と呼ばれる加工法が採用されています。クロムなめしは、製造工程において化学薬品である「塩基性硫酸クロム」を使用しており、耐久性が高く傷つきにくい、伸縮性や柔軟性に優れる、熱に強い、経年劣化が出にくい、といった特徴を持つ加工方法です。このクロムなめしで作られた姫路の特産品「姫路白なめし革」は有名で、バッグ、財布、靴、スマホケースなど、さまざまなアイテムに使用されています。
クロムなめしの技法を用いると、仕上がりが白っぽくなるため、染色時の発色が良くなる、多彩なカラーバリエーションを作りやすいというメリットがあるほか、薄くて軽く、加工処理時間の短縮による効率化も実現できるため、コストパフォーマンスを抑えながら、質の高い革を提供することができます。現在、世界で流通している革製品の約8割は、このクロムなめしによって作られているのです。近年、姫路レザーの製造においては「コンビなめし」という加工法も採用されています。これは、クロムなめしと昔ながらの「タンニンなめし」の二つを合わせた加工法です。クロムなめしの特徴である耐久性や生産工程における効率の高さに加え、タンニンなめしの特徴である「革の経年変化」も可能とする、いわばハイブリッドな加工法といえるでしょう。両者のなめしの長所を取り入れ、かつ短所を補うことで、より質の高い革製品の製造が可能となるのです。
姫路レザーの人気アイテム
姫路レザーは昔からさまざまなアイテムとして販売されています。定番のバッグ、財布、ベルト、印鑑マット、ペンケースから、近年はITの進化に合わせて、スマホケース、マウスパッドといった商品まで、幅広く作られています。 また、最近注目を集めているものとして、姫路レザーを使った腕時計のストラップも販売されています。革製のストラップなので使いこむほど腕周りにぴったりとフィットし、経年の色合いや表情の変化も一緒に楽しむことができるでしょう。
姫路レザーと栃木レザーの違い
姫路レザーとは全く異なる特徴をもつ「栃木レザー」についても詳しく見ていきましょう。
栃木レザーとは
栃木レザーは、栃木県に本拠地を置く栃木レザー株式会社が製造している革製品のことをいいます。栃木レザー株式会社は1937年創業の老舗メーカーであり、牛ヌメ革を専門として現在も製造を続けているタンナーです。栃木レザーは「タンニンなめし」と呼ばれる手法によって製造されています。タンニンなめしは古くから行われている技法で、植物から抽出されるタンニンを液体に加え、その液体に数ヶ月じっくりと皮を浸け、そのまま表面加工をすることなく仕上げる手法です。 タンニンなめしは非常に手間がかかるうえ、時間も要するので、クロムなめしと比較すると国内では採用する企業が少なくなっています。しかし、職人の手によってじっくり時間をかけて作られるその革製品は耐久性と伸縮性に優れ、またタンニンなめしならではの革の色合いや質感、表情の変化といった経年変化を楽しめるものとして人気があり、愛好家も多くなっています。
姫路レザーと栃木レザーの違い
姫路レザーと栃木レザーの決定的な違いは、「なめし加工」が全く異なるという点です。姫路レザーはクロムなめし、栃木レザーはタンニンなめしが採用されており、なめし加工が異なると、当然ながら仕上がる革の性質や特徴も変わってきます。上述したように、クロムなめしによって作られる姫路レザーは経年劣化しにくいという特徴があります。植物素材を使用するタンニンなめしの場合、経年によって色合いや質感が変わってきますが、クロムなめしでは化学薬品を使用してなめしを行うため、タンニンなめしで作られた革とは違い、経年変化や劣化が起こりにくくなるのです。この点を考えると、商品の経年変化や劣化を望まない人、買った当初の色合いや質感を保ちたい人には姫路レザーがおすすめといえます。逆に、長年使い続けることによる革の質感や色合いの変化を楽しみたいという人には栃木レザーがおすすめです。変化や劣化が生じにくい姫路レザー、色合いや表情が変わりやすい栃木レザー。この二つの特徴を踏まえて、どちらのレザーが自分に向いているかを判断してみましょう。
姫路レザーを使ったKnotの華やかなストラップ
近年は、姫路レザーを使用した腕時計のストラップが人気を集めています。今回は、「Knot」の人気ストラップをご紹介します。
Knotの腕時計はカスタムオーダー
Knotでは腕時計に合ったさまざまな皮革製品(レザークラフト)を販売していますが、そのなかでも特に人気なのが、姫路レザーを使用した特製のストラップです。このストラップはKnotが販売する時計本体と自由に組み合わせることが可能なので、より多くのバリエーションを楽しめるのが大きな魅力といえます。Knotのストラップは、「イージーレバー」と呼ばれるワンタッチ方式が採用されており、工具不要で簡単に付け替えが可能です。そのため、外出先でもすぐに付け替えができますし、その日の気分やファッションに合わせてさまざまなカラーやモデルを楽しむことができます。
姫路セミグレインレザーストラップ
Knotが販売する大人気シリーズ「姫路セミグレインレザーストラップ」をご紹介します。姫路セミグレインレザーストラップは、その名のとおり姫路レザーを使って作られた腕時計専用のストラップで、姫路レザーだからこそ可能なその美しいカラーリングの数々は、職人の手によって一つひとつ丁寧に作られた逸品です。素材には、肉牛よりもさらに柔らかでしなやかと言われる乳牛の皮を採用しています。乳牛の革は薄くて弾力があるため腕周りにしっかりフィットし、着け心地が非常によいのが特徴です。
姫路セミグレインレザーストラップは、Knotのサイトから通販で購入することも可能です。ホワイト、レッド、ブルー、グリーンなど、姫路レザーならではの美しく豊富なカラーが揃っており、ベルトやバックルなど、他の商品との組み合わせやカラーリングを考えながら購入できます。
ハイブリッドでおしゃれなレザークラフトを楽しもう!
レザークラフトの多くは、職人の手によって時間をかけて丁寧に仕上げられています。機能だけでなく、見た目の美しさや色味の良さも徹底的にこだわっているので、その一つひとつが魂のこもった工芸品といえるでしょう。カラーバリエーションも豊富なので、その日のファッションやシーンに合わせて気軽に付け替えを楽しめるのもうれしいポイントです。その鮮やかなカラーリングは、きっと多くの人の目を惹きつけることでしょう。革製品だからこその優しさ、しなやかさ、温かさは、無機質な金属製品には出せない魅力があります。高性能でおしゃれなレザークラフトは、ぜひ皆様に試していただきたい逸品です。
こちらの記事に掲載されている価格は、2022年8月現在の情報です。
最新情報は Maker's Watch Knot 公式サイト をご覧ください。