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伝えたくなる時計の話

腕時計のムーブメントの種類│駆動方法ごとのメリット・デメリット

18-10-19

腕時計の「ムーブメント」とは何を意味するかご存じでしょうか。
ムーブメントとは時計の動力部分に当たるもので、ここに注目することで、多くの種類の中から腕時計のタイプを見分けることができます。また、ムーブメント自体にも複数の種類があり、それぞれにメリット・デメリットが存在します。そのため、ムーブメントの見極めが腕時計選びの一つのポイントと言えるでしょう。この記事では、ムーブメントについての基本的な知識や種類ごとのメリット・デメリットについてご紹介します。

【目次】
1.腕時計のムーブメントの種類
2.腕時計のムーブメントの歴史
3.腕時計のムーブメント別メリットとデメリット
4.腕時計のムーブメントの見分け方
5.日本製ムーブメントを使用したKnotの腕時計

腕時計のムーブメントの種類

腕時計のムーブメントには、いくつかの種類があります。ここでは、腕時計のムーブメントの基礎知識と主な種類についてお伝えします。

●腕時計のムーブメントとは?
ムーブメントとは、腕時計を動かすための動力部分を指します。主なムーブメントは、「機械式」と「クオーツ式」の2種類です。

時計の製造方法には2つのスタイルがあり、ムーブメントから外装のケースまでを一貫して自社生産するスタイルを「マニュファクチュール」と呼びます。ムーブメントを生産するには高い技術力が必要なため、生産できるメーカーは一部に限られています。製造コストがかかる分、時計の価格はやや高めですが、細部にもこだわったオリジナリティあふれる腕時計に仕上げることができます。日本の時計メーカーであるセイコーやシチズンもマニュファクチュールに分類されます。

一方、他社からムーブメントなどの部品を仕入れて組み立てるスタイルを「エタブリスール」と言います。独自性の面ではマニュファクチュールにかないませんが、時計の価格を抑えられる点はエタブリスールの強みです。

また、ムーブメントが製造される際に、ムーブメントに付けられる型式番号のことを「キャリバー」と呼びます。腕時計のスペック詳細に「Cal.~」と記されることが多く、ムーブメントについての情報を知ることができます。

●ムーブメントのさまざまな種類
ムーブメントには機械式とクオーツ式のほかにも、ソーラーやオートクオーツ、スプリングドライブといったさまざまな種類があります。

・機械式
腕時計を身に着けていると時計内部のローターが回転し、自動的にゼンマイが巻き上がるタイプを自動巻きと言います。最大で48時間程度動き続けますが、使用せずに置いておくと止まってしまいます。
一方、リューズを自ら回し、ゼンマイを巻き上げて使うタイプが手巻きです。自動巻きと同じく最大48時間程度は動きますが、定期的にゼンマイを巻きながら使う必要があります。

・クオーツ式
電池を動力源として動く時計をクオーツ式と言います。クオーツ(水晶)が振動する性質を利用して時刻を調整しています。電池が残っている間は動き続けますが、電池が切れた場合は電池交換が必要です。

・ソーラー
文字盤が受ける光によってソーラー発電し、そのエネルギーで動きます。充電式のため基本的には電池交換が不要です。

このほか、発電式時計とも言われる「オートクオーツ(キネティック)」は、時計内部のローターを回転させることで動力を生み出し、内部発電で電力を蓄えて針を動かすムーブメントです。また、セイコーが開発した新しいタイプのムーブメント「スプリングドライブ」は、ゼンマイがほどける力で発電し、その電力で水晶振動子と電子回路を動かして時刻を調整します。

腕時計のムーブメントの歴史

腕時計のムーブメントは時代の変遷とともに発展してきました。ここでは、機械式ムーブメントとクオーツ式ムーブメントの歴史をご紹介します。

●機械式腕時計の誕生
機械式の腕時計が誕生したのは、19世紀後半と言われています。当時、時刻を確認するのに使われていたのは懐中時計でしたが、使うたびにポケットから取り出す必要があり不便だという理由から、腕時計の開発が始まったとされています。
最初の腕時計は懐中時計に革ベルトをつけた簡易なものでしたが、第1次世界大戦で腕時計が兵士たちに支給されたのをきっかけに改良が重ねられ、腕時計の普及が進みました。20世紀初頭には一部のメーカーが腕時計の生産を開始します。その中で、1911年にカルティエ社が製造した角形ケースの「サントス」がヒットしました。そして1926年には、世界で初めての自動巻き時計が発売されます。

●クオーツ式腕時計の登場
日本では、20世紀初頭に服部時計店(現セイコー)が日本初の腕時計を開発しました。第2次世界大戦後には、日本の時計業界は大きく発展し、1969年にはセイコーが世界初のクオーツ式腕時計を発売しています。時刻の誤差が少なく大量生産が可能なクオーツ式腕時計は、1970年代になると世界中に広まり、スイスやアメリカにある多くの機械式時計メーカーが倒産するという、いわゆる「クオーツショック」を引き起こしました。低価格で精度の高いクオーツ式腕時計の登場により、腕時計のイメージは高級品から身近な日用品へと変わり、一般の人々にも普及していきました。

●機械式腕時計の再興
クオーツ式腕時計の普及により一旦は衰退した機械式時計でしたが、1990年代になると、機械式特有の味わいや希少性、完成度の高さが再評価されるようになりました。また、ブランドのステータス性も加わり、機械式時計は高級腕時計のイメージを確立していきます。以降、高精度でリーズナブルなクオーツ式腕時計と、嗜好品としての機械式腕時計に棲み分けが進み、ともに新たな機能や付加価値を加えた多くの時計が生み出されました。クロノグラフやカレンダー機能、アラームや防水機能が付いた時計などはその一例です。

腕時計のムーブメント別メリットとデメリット

腕時計のムーブメントには、種類ごとにメリットとデメリットがあります。それぞれの特徴についてご説明します。

●自動巻き
自動巻きのメリットは、定期的に身に着ければゼンマイを巻く必要がなく、半永久的に動き続けるという点です。ただし、身に着けていないと1~2日ほどで針が止まります。毎日使用しない人は、ワインディングマシーンに置いておくと、自動的にゼンマイを巻き上げてくれます。また、長く使用するには3~4年に一度オーバーホール(分解清掃)をしましょう。

●手巻き
手巻きは生産数が少なく、希少価値が高いことに加えてレトロな魅力があります。ローターがないためムーブメントを薄くでき、デザインがスマートであることもメリットです。デメリットとしては、ゼンマイを巻き上げる手間がかかることと、クオーツ式に比べて時間の精度が低いことが挙げられます。また、衝撃や水に弱く、取り扱いには注意が必要です。

●クオーツ式
クオーツ式は時間の精度が高い上、衝撃や磁気にも比較的強く、機械式よりも取り扱いが楽です。さらに、クオーツ式は機械式に比べて低価格のモデルが多く、購入しやすいメリットもあります。ただし、生産数が多く、希少性という点では機械式にはかないません。電子回路の寿命は10年ほどで、機械式のように修理しながら何十年も利用したい人には不向きです。

●ソーラー
電池交換が不要で電池切れの心配が少ないのがソーラーのメリットです。ただし、取り扱っているメーカーが限られ、機械式やクオーツ式の腕時計に比べてバリエーションが少なくなります。また、充電せずに長期間暗いところで放置すると、電池が劣化するおそれがあります。充電池を交換しても、電子回路の寿命は約10年と考えておきましょう。

●キネティック(オートクオーツ)
内部に発電機を搭載しており、腕の動きで充電ができるため電池交換が不要です。長期間、使用せずに放置すると電池が劣化すること、修理の際にはメーカーに送る必要があることなどがデメリットとして挙げられます。

●スプリングドライブ
ゼンマイを用いながら、時間の精度が高く、針の動きが機械式ともクオーツ式とも異なりなめらかという特徴があります。一方、デメリットは比較的高価で、スプリングドライブを搭載している腕時計が少なく、選べるモデルが限られていることです。

腕時計のムーブメントの見分け方

ムーブメントを見分けられると、腕時計を購入するときの選定基準の一つになります。ここでは、一般的な腕時計のムーブメントである機械式とクオーツ式の見分け方をご紹介します。

●針の動き方で見分ける
秒針の動きを確認すれば、どんなムーブメントが用いられているかがわかります。
なぜなら機械式は、連続的に秒針が動く「スイープ運針」であるのに対し、クオーツ式は、秒針が1秒ごとに動く「ステップ運針」を採用しているからです。

●ムーブメントが発する音で見分ける
自動巻き、手巻き、クオーツ式ではムーブメントから聞こえる音が違います。
自動巻きはローターを内蔵しているため、時計を振ると回転音がします。一方、手巻きは、振っても音がしません。
また、機械式のスイープ運針は「チチチチチ」と連続的に秒針の音がしますが、クオーツ式のステップ運針は「チッチッチッチ」と1秒ごとに音がします。

日本製ムーブメントを使用したKnotの腕時計

機械式やクオーツ式などのムーブメントには、それぞれメリット・デメリットがあります。しかし、デメリットも含めて時計の個性と捉えられれば、愛着も湧いてくるでしょう。
Knotでは、クオーツ式と機械式両方の腕時計を用意しています。どちらも日本製のムーブメントを採用しており、日本の腕時計製造技術が感じられる仕上がりとなっています。クオーツ式は1万円台から、機械式は5万円台から取り揃えており、予算や好みに応じて、自分らしい腕時計を見つけることができるでしょう。
ほかにはない個性的な1本を探したい方は、お近くのMaker’s Watch Knot ギャラリーショップ、またはKnotのホームページをご覧になってください。