亜麻色とはどんな色?身に着けたときの印象と色味を活かした小物
20-02-10
フランスの詩人ルコンド・ド・リールの詩からタイトルがつけられた「亜麻色の髪の乙女」は、ドビュッシーの作曲した「プレリュード(前奏曲)集」第1集内の8曲目として世界的に有名で、多くの方が一度は耳にしたことのある名曲です。また、日本で「亜麻色の髪の乙女」といえば、すぎやまこういちが作曲、橋本淳が作詞し、ヴィレッジ・シンガーズがリリースした曲も有名で、その後多くの歌手がカバーしたことでも知られています。2002年に歌手・島谷ひとみが歌うカバー曲としてCDシングルが発売され、「亜麻色の長い髪を」で始まるこの曲が歌・歌詞・曲すべて美しいと大ヒットしたことも記憶に新しいことでしょう。
こうした数々の曲から「亜麻色」という色名が有名になったとはいえ、この色が具体的にはどのような色なのか、情報がほしいという方も多いのではないでしょうか。ここでは、この「亜麻色」がどのような色なのか、詳しくご説明していきます。
【目次】
1.亜麻色の特徴
2.亜麻色の印象と、合わせやすい色
3.亜麻色を使った小物
4.亜麻色を取り入れたファッションで大人の品格を
亜麻色の特徴
一般的に、「亜麻色の髪の乙女」がblonde hair(金髪)の少女のイメージがあることから、亜麻色といったら、金髪だと思っている方も多いでしょう。それも間違いではないのですが、金髪といってもさまざまな色合いがあります。どのような色を亜麻色と呼ぶのでしょうか。
亜麻(あま)色とは
日本で和名となっている亜麻色とは、亜麻(あま)をつむいだ糸の色のことで、黄色がかった淡い茶色(brown)を指します。栗色のような茶色系や橙色系が、類似色にあたるでしょう。
亜麻(あま)とは
亜麻は紀元前から栽培されていることが確認されている、カフカス地方から中東の辺りが原産の植物で、亜麻の種子からとれる油が有名な亜麻仁油(あまにゆ)です。そして、茎の繊維から衣類などのリネン製品がつくられます。
「リネン」は亜麻をつむいだ糸で作った布
「リネン」は亜麻をつむいだ糸で織った布のことを指し、「亜麻布」とも呼ばれますが、フランス語では「リンネル」といいます。この布の生成りの色を亜麻色と呼ぶこともあるようです。
西洋で髪の色を表現するのに用いられる「亜麻色」
ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」に代表されるように、西洋では髪の色を表現するのに用いられることがあります。原題は「La fille aux cheveux de lin」といい、「lin」が「亜麻」にあたります。この場合は明るめの金髪のことを指すようで、ドビュッシーの「亜麻色の髪の乙女」のイメージ挿絵でも、明るい金髪の若い女性の絵が使われることが多いようです。
英語の色名では「flax」
亜麻色は、英語の色名で「flax」または「flaxen」といい、これは亜麻のseeds(種子)の色からきているようです。また、フランスの色名として「lin」がありますが、この場合は髪の色とは関係なく、ペンキやインテリアで使う色のことを指してblanc de lin(亜麻の白)やGris de lin(亜麻の灰色)という色名もあります。さらに、亜麻色はグレーがかったベージュ色として、グレージュと呼ばれることもあるようです。
このように、亜麻色と呼ばれる色には、黄色がかった淡い茶色や、リネンの布地の色合い、明るい金髪の色、グレーがかったベージュ色など、かなり幅があるといえます。
類似色との違い
ベージュ
ベージュは、もともとは染色していない状態の麻や羊毛の色のことをいい、亜麻色のほうがやや茶色もしくは灰色に近いことが多いようです。
キャメル(らくだ色)
キャメルは、JIS規格によると「くすんだ黄赤」とされていて、ラクダの毛皮のような淡い茶色を指すケースが多いようです。そのため、亜麻色のほうが薄い茶色として認識されているケースがほとんどといえます。
ライトグレー
ライトグレーという色の明確な定義はありませんが、一般的に歯白色と灰色の中間色で、灰色よりも白みがかった色を指すことが多いです。亜麻色のほうが茶色に近く、より灰色成分が薄いため、その違いはハッキリわかるでしょう。
亜麻色の印象と、合わせやすい色
ここでは、和名で亜麻色と表される黄色がかった淡い茶色の印象や、ファッションに取り入れたとき合わせやすい色についてご紹介します。
亜麻色が与えるイメージ、印象
和名で亜麻色といえば黄色がかった淡い茶色のことを指し、落ち着いたシックで知的なイメージといえます。もともと茶色系のカラーは自然に近い色なので、穏やかさや安らぎを与える色としてファッションにも取り入れやすいでしょう。また、身近にあってなじみやすいカラーなので、インテリアに取り入れるケースも多いようです。
亜麻色に合わせやすい色
上述したような落ち着いたイメージのある亜麻色ですが、この色と合わせやすい色といえば、やはりグレーやブラウン、ホワイト系など、同一系統の配色です。また、補色関係にあるブルーやグリーン、パープル系なども合わせやすく、どの色と合わせても亜麻色を差し込むことで、上品で落ち着いたイメージを演出することができるでしょう。
亜麻色を使った小物
和名で亜麻色と表される色合いの小物には、和装小物からマフラー類、腕時計ストラップなど、さまざまなものがあります。ファッションに取り入れやすいカラーなので、さまざまなシーンのファッションに合わせやすいでしょう。下記のような小物は亜麻色と相性が特によく、ぜひコーディネートに取り入れたいものです。
和装小物
帯締めや半衿(半襟)、草履などの和装小物にも亜麻色はよく使われています。そもそも訪問着や帯などにも亜麻色は取り入れられることも多く、大人の品格を上品に演出できるでしょう。
マフラー類
ストールやスヌードといったマフラー類にも、上品な亜麻色はよく使われています。リネンガーゼを使ったふんわりとしたストールなどは、落ち着いた雰囲気に優しく寄り添えるでしょう。
腕時計ストラップ
上品で知的な亜麻色はビジネスシーンにもよく合うため、腕時計のストラップとしても高い人気を誇ります。Knotで取り扱っている亜麻色の腕時計ストラップは、くみひも綾高麗の世界観を表現して、ほかにはないテーマやカラーでコーディネートを引き立ててくれます。
京都昇苑シルク くみひも
日本の職人技術を活かしたストラップで、日本人の肌になじむベージュゴールドにローズゴールドラメを組み込ませた亜麻タイプのものと、鮮やかなブルーに同系色のネイビーとシルバーラメを組み合わせた瑠璃タイプのものがあります。
亜麻タイプのストラップは「綾高麗」と呼ばれる美しいパターンが特徴で、金属箔の糸がさり気なく組み込まれており、肌になじみながら上品にゴージャスな彩りを差し込んでくれます。淡い色合いなので、ゴールド系のフェイスに特によく合うでしょう。この組み合わせはゴージャスなのに肌なじみがよいこともあって、通勤や通学などの日常使いでもさり気なく他にはない上品さをみせてくれるうえ、フォーマルな場で腕元を華やかかつ知的に演出することもできます。
亜麻色を取り入れたファッションで大人の品格を
「亜麻色の髪の乙女」というドビュッシーやすぎやまこういちの名曲で知られる「亜麻色」という色名ですが、和名の亜麻色では黄色がかった淡い茶色を表し、西洋では明るめの金髪のことを「亜麻色」の髪といい、灰色も少し入ったようなグレージュのことを「亜麻色」ということもあるなど、「亜麻色」と呼ばれるカラーは、実は幅広くあるのです。
そして、おちついた色合いの亜麻色はファッションでも取り入れやすい色といえます。茶色系統のカラーなので身近なイメージがあるうえ、亜麻色は淡い色合いなので、日本人の肌にもなじみやすいのです。服そのものはもちろん、和装小物やマフラー類、腕時計ストラップなど、さまざまなファッション小物に取り入れられ、日常にさりげなく溶け込みます。
こうしたファッションに亜麻色を取り入れる際、腕時計のストラップとして特におすすめしたいのが、Knotの腕時計ストラップ「京都昇苑シルク くみひも」の亜麻色タイプです。このストラップはくみひも綾高麗でほかには見られない個性を演出しつつ、上品で知的、かつゴージャスに日常のさまざまなシーンを彩ってくれるので、ぜひコーディネートの一部として取り入れてみてはいかがでしょうか。
こちらの記事に掲載されている価格は、2022年8月現在の情報です。
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