日本のものづくりを世界へ伝えるKnotのMUSUBUプロジェクトとは?
20-02-18
日本には、栃木レザーや京都のくみひものように、職人技術によって作り出される伝統工芸品があります。しかし、そのほとんどが後継者不足などの構造的問題を抱えています。Knotは、日本の伝統技術を継承し次世代に伝えることで、世界で愛されるリストウェアを生み出せると考え、MUSUBUプロジェクトを開始しました。
この記事では、ものづくりの現状とMUSUBUプロジェクトの概要、日本の伝統技術が込められたKnotのおすすめアイテムについてご紹介します。
【目次】
1.日本のものづくりを取り巻く現状
2.日本のものづくりを世界に伝えるMUSUBUプロジェクト
3.日本のものづくり技術が詰まったKnotのおすすめアイテム
4.ものづくりの粋が詰まったKnotの腕時計
日本のものづくりを取り巻く現状
日本のものづくり技術は世界でもトップクラスと言われています。その一方で、製造業や開発現場は多くの問題点を抱えています。まず日本のものづくりの現状についてご説明します。
ものづくりとは?
一般的に「ものづくり」とは、製造業や開発現場、そこで使われる技術やサービスのことを指します。しかし、単純に「物を作る」ことだけを表しているわけではなく、より広い意味を持って使われることがあります。特に職人技などの高度な技術を用いた製造を指すときや、精神性、伝統文化、歴史を表すときにも多く用いられます。
日本のものづくりの現状
近年、製造業や開発現場は多くの問題を抱えています。その一つが、少子高齢化に伴う後継者不足です。後継者不足はものづくり技術の消滅につながる危機をはらんでいます。
こうした問題を解決すべく、ものづくりの魅力を次世代に伝えるとともに、世界に発信するための取り組みが行われています。例えば、伝統工芸の製作過程が体験できるワークショップや、海外における日本の伝統工芸品を集めた展示会の開催といった動きもその一環です。
日本のものづくりを世界に伝えるMUSUBUプロジェクト
Knotは日本のものづくりを世界に向けて発信するため「MUSUBUプロジェクト」に取り組んでいます。プロジェクトの詳細や、参加している「MUSUBUパートナー」についてご紹介します。
MUSUBUプロジェクトとは?
日本独自のクラフトマンシップ(職人の技能)と世界中の人々をリストウェアという形で結ぶため、腕時計ブランドのKnotが行っているのがMUSUBUプロジェクトです。日本に息づく繊細で丹念なものづくりの伝統を世界に伝えることを主な目的としています。
MUSUBUパートナーとは?
「MUSUBUパートナー」とは、MUSUBUプロジェクトに参画している日本のものづくり企業や工場のことです。Knotの腕時計の部品やストラップなどの生産を行っており、日本の伝統的な技術と、ものづくりにこだわりを持った各地の企業や工場が参加しています。以下、MUSUBUパートナーをご紹介します。
栃木レザー株式会社
手間のかかる昔ながらのなめし工程にこだわり続けているタンニンなめし専門のタンナーです。秘伝のタンニン溶解液を使用し、幅広く活用できる希少な本ヌメ革を国内外に販売しています。天然由来のベジタブルタンニンにこだわり、それぞれの工程のエキスパートたちがじっくりと時間をかけてなめす技術は、まさに匠の技です。
木本皮革工業所
皮をなめすには大量の水が必要となるため、タンナーは水源が豊かな地域で発展してきました。木本皮革工業所のある兵庫県たつの市松原地区は、揖保川と林田川という豊かな水脈に囲まれ、姫路レザー生産の盛んなエリアです。熟練の職人たちがじっくりと芯までなめし、丹念な手作業で確かな品質を提供しています。
有限会社昇苑くみひも
京都の宇治にある、シルクにこだわり続ける企業です。くみひもとは糸を複雑に組んで作る紐のこと。仏教伝来とともに伝わったといわれるほど古い歴史があります。しかし、価格の安い商品が大量に出回りにつれ、手間がかかるくみひもの販売は厳しさを増しています。そうした状況においても、上質な国産の紐を提供し続け、現代におけるくみひもの可能性を模索し続ける企業です。
株式会社槙田商店
1866年の創業以来、150年以上にわたって美しい傘生地を作り続けてきた槙田商店。富士山の天然水を使って鮮やかに染色された糸でジャガード生地を織り、繊細な模様から大胆な絵柄まで生み出せるのは、伝統に裏打ちされた確かな技術があってこそ。その品質と美しさが皇室に認められ、献上される傘に用いられました。
株式会社タケヤリ
岡山県倉敷市で帆布を織り続ける、1888年創業の老舗です。国内現存数わずかとなったシャットル織機から、高速で織り上げる幅広対応の最新鋭織機までを駆使し、アパレルから工業用素材まで、幅広い帆布製造を手がけています。その丈夫さと表情の味わい深さから「織られたレザー」とも評されます。
髙田織物株式会社
畳縁(たたみべり)の国内生産シェアNo.1の企業です。畳縁とは畳表の角の摩耗を防ぐために畳の長い辺に付けられた布のこと。電子ジャガード搭載高速ニードル織機を導入し、素材は綿から合成繊維へと変化しましたが、織りにこだわる精神は受け継がれており、伝統を守りつつ新しい畳縁を生み出しています。
林精器製造株式会社
1921年の創業当初より、妥協のない正確さと美しさで国内の腕時計ケースを製造し続けている精密金属加工企業です。その加工技術は世界最高水準を誇っており、高級腕時計のケースにおけるザラツ研磨と呼ばれる鏡面研磨技術が高く評価され、「第4回ものづくり日本大賞」特別賞、「第4回うつくしまものづくり大賞」などを受賞しました。
日本のものづくり技術が詰まったKnotのおすすめアイテム
MADE IN JAPANにこだわるKnotは、日本のものづくり技術が詰まったアイテムを数多く取り扱っています。ここでは、MUSUBUパートナーと作り上げたKnotおすすめのアイテムをご紹介します。
腕時計
国産機械式時計 AT-38
細かい部品までとことん日本製にこだわった機械式腕時計です。ケースは国内最高峰の金属加工技術を誇る林精器製造が手がけ、ムーブメントや文字盤も日本製。機械式時計から離れてしまったユーザーに魅力を伝えたいという思いから、16カ月以上の開発期間を経て製作した純国産の本格派機械式腕時計です。
機械式クロノグラフ ATC-40
AT-38の2倍もの部品点数を使用し、さらなる高みを目指した国産機械式腕時計です。約310点の部品からなる超複雑機構の機械式クロノグラフムーブメントを搭載しています。ラグ内側にカット面を設けることで重厚さだけでなく軽やかさも演出。3種のインダイヤルは機能性と優美さを兼ね備えるため、マイクロメートル単位のフォント調整を行っています。
CS-36 スモールセコンド
視認性にこだわったインデックスは、秋田県にある老舗の腕時計製造工場の植え付け技術により生み出されたもので、美しさだけでなく日本の技術力の高さがうかがえる1本です。1940~1960年代のトラディショナルなデザインにインスパイアされたフェイスと、金属アレルギーを起こしにくい316Lサージカルスチールといった最新素材を採用しています。
ストラップ
栃木レザー トラディショナル シェイプ ストラップ
天然由来のタンニンでなめされた栃木レザーを使用した正統派タイプのレザーストラップです。透明感のある艶や心地よいフィット感に、ベテラン職人たちの技を感じられるでしょう。手首回りの細い女性でも負担なく着用できます。
姫路セミグレインレザー ストラップ
なめらかな手触りを持ち、汚れや傷が目立ちにくいのが特徴です。姫路レザーならではの鮮やかで美しい発色は、数回に分けて少しずつ塗り重ねられたもので、色味は職人の厳しい目で判断されています。シーンを問わず着用できる上品なデザインに仕上がっています。
京都昇苑 シルク くみひも ストラップ
京都昇苑くみひもの独自技術で「綾」と呼ばれるストライプ模様をデザインに取り入れています。色展開も7色と豊富。仏具や茶道具、武具、刀剣、着物の飾りに用いられてきたくみひもを着用するという新しい感覚が楽しめます。
槙田 トラディショナル シェイプ ストラップ
熟練の職人技術により織り上げた傘生地の鮮やかな色と艶やかな光沢が特徴です。優しい風合いが魅力ですが、撥水と防水の両加工が施され、リストウェアとしての機能性も抜群。槙田商店オリジナル傘でも使用されるトンボ柄と、栃木レザーとの組み合わせが新しい逸品です。
岡山タケヤリ帆布 ストレートシェイプストラップ
130年以上にわたり、時代に合わせた帆布を織り続けているタケヤリ帆布が手がけたストラップです。耐久性と柔軟性から選びぬいた生地を使用しています。使い始めは帆布らしいハリがありますが、次第に柔らかく変化し、革のような経年変化が楽しめます。タケヤリ独自の鮮やかなカラーも魅力です。
岡山 髙田織物 畳縁 ストレートシェイプストラップ
古くから日本の伝統文化を支えてきた畳縁をリストウェアへとアレンジしたストラップです。120年以上織られ続けてきたという伝統と、発色が良く丈夫で軽い合成繊維を使用するという進化の両面を併せ持っています。倉敷の蔵屋敷をモチーフとした端正な格子柄が、腕元の個性を彩ります。
ものづくりの粋が詰まったKnotの腕時計
日本には、多くの分野で古くから受け継がれてきた職人ならではの伝統技術が存在します。一方で、安価な製品の大量生産や輸入品の増加、後継者不足などがあいまって、伝統技術の継承が危機に直面しています。
KnotのMUSUBUプロジェクトは、日本各地に息づくものづくりの伝統を、未来へ、そして世界へ伝えたいという思いから始まりました。ベテランの職人たちの手によって作られた高品質なリストウェアだからこそ、愛着を持って使うことができ、大切な人に贈っても喜ばれるものとなるでしょう。Knotの腕時計には、時計本体からストラップにいたるまで、日本のものづくりを支える職人たちの歴史や技術が込められています。興味のある方はお近くのMaker’s Watch Knot ギャラリーショップ、またはKnotのホームページをご覧ください。
こちらの記事に掲載されている価格は、2022年8月現在の情報です。
最新情報は Maker's Watch Knot 公式サイト をご覧ください。